コロナ禍の影響でなかなかレストランにお伺いできませんでしたが、久しぶりにルポンドシエル様にお伺いしてきました。
1973年創業の老舗フランス料理店で、1926年建設の歴史ある建物の中にレストランが入っています。
まずは一皿目のアミューズ。
季節の食材を取り入れた華やかな盛り付けです。
手前から
柿とカルダモンのジュレ
オマール海老のタルタルとパータブリック
鱧と香草のフリット
千葉県産落花生の塩ゆで
稲穂のポン菓子仕立て
もうすっかり秋ですね。
色々な味を一度に楽しめます。稲穂からつまんで食べるのも面白いです。
こちらは沖しじみ、月日貝、カマスを使った一皿。
海ブドウ、小松菜、ジュンサイ、鱒の卵などが散りばめられており、ソースには冬瓜が使われています。
さっぱりとしていながら色々な食材の旨味が感じられます。
続いては一皿目の前菜。
こちらは15種類の野菜を使った料理。
フランボワーズとビネガーの泡やマスタードのソース、ロメインレタスのソースなどが下に敷いてあり、野菜の中にはサブレ生地が入っています。
一つ一つの野菜がきちんと調理されておりどれも美味しい。
生地の部分も食感と塩味のアクセントになっていて非常にバランスが良いです。
続いては2皿目の前菜。
2人で伺ったのですが、それぞれ別の料理を出していただきました。
こちらの料理は低温調理の帆立のカルパッチョ。
マイクロ胡瓜、ビーツ、花オクラ、牡丹海老の卵、グリーントマトのチャツネ、ジャクソンフルーツなどと一緒に美しく飾られています。これも美味しい。
どの野菜も美味しいのはやはり小さな仕事を正確に積み重ねているからなのでしょうか。
ハーブのベニエが添えられているのですが、これがまた良い。
大葉の天ぷらに通じる香りとカリカリの食感、絶妙な塩加減でこれだけでもワインが進みます。
いただいたワインはこちら。
ミシェル・ゲラール氏が手がけるBaron de Bachen バロン・ド・バシャン。
フランス南西地方の土着品種などを使っており、少しオレンジかかった色合いと程よい酸味とふくよかさ、バランスの取れた味わいです。
もう一つの料理がこちらの赤海老。
上に雲丹とパン粉を混ぜたものを乗せ、香ばしく焼き上げています。
海老そのものも素晴らしいのですが、雲丹のソースと添えられたキヌアも旨い。
続いては温かい前菜。
ジャガイモのエスプーマとその下にはフォアグラのベニエが隠れています。
上にはオリーブオイルで揚げたチップスとイタリアンパセリのフリット、ソースはヴォライユのものです。
素材そのものはシンプルですが、様々な食感とじゃがいもの美味しさを感じられます。またエスプーマになっているので重すぎず楽しめます。
続いては魚料理。
魚料理はイワナです。
説明を失念してしまったのですが、少し苦みがあったので肝を使ったソースでしょうか、イワナと食べると素晴らしい風味です。百合根などを使ったピューレとキノコの付け合わせも香り高くおいしい。季節を感じられます。
続いてはお口直し。
ワインをいただいていたのでお口直しはボジョレーのグラニテ。
アルコール分もしっかりと残っているのですが甘みもしっかりとあり、最後に抜ける香りが心地良い。
メインに合わせてもらったワインはマルサネを代表するドメーヌの一つ、Jean Fournier ジャン・フルニエのMARSANNAY ES CHEZOTS マルサネ・エシェゾ。
上品なブルゴーニュといったベリーや花のニュアンス、2008年からビオロジックで生産しているそうですが、ビオのクセはあまり感じられずこちらもバランスの良いワインです。
続いてのメインも2皿違うものでお願いしました。
まず一つはフランス産の仔羊。
腿肉のローストに人参のピューレ、パセリとニンニクのピューレ、セルバチコと人参が添えられています。
程よい仔羊の香りと人参の甘み、ソースの旨味と間違いない味わい。
また脂身の旨味を楽しめるようにバラ肉も盛り付けられているのですが、これもいい感じ。燻製にしているのでしょうか?お肉だけではない深みを感じます。
もう一皿はシャラン産の鴨肉。
皮目に蜂蜜やスパイスを塗り香り高く焼き上げています。
付け合わせはリンゴのキャラメリゼとフレッシュのリンゴ、ジロール茸など、鴨の腿肉を使ったクロメスキも添えられています。
古典フランス料理を感じられつつもモダンに洗練された料理。
いただいたマルサネのワインとの相性もいい感じ。
ここからはデザートです。
まずは一皿目。
葡萄を使ったデザートで、白ワインのエマルジョン、確かではないのですが中にはクレーム・グラセとキャラメルのチュイルが入っておりクレーム・ブリュレのような味わいです。
デザートも2皿でご用意していただきました。
一つ目は栗を使ったデザート。
マスカルポーネのクリームや栗のクリーム、栗のチュイル、アイスはラムレーズン。仕上げにラムをソース代わりに中心にかけます。
栗とラム、艶やかで甘美な風味と余韻が広がります。
コースの最後を飾るのに相応しいデザートでした。
もう一皿が無花果のタルト仕立て。
赤ワインのソースとトンカ豆のアイスです。
こちらのデザートも素晴らしい完成度。
見た目もさることながら無花果の甘すぎない高貴な味わいとそれに負けないトンカ豆の香り、クリーム、パイ生地と調和のとれたデザートになっています。
料理、サービス、カトラリーから雰囲気までこれぞルポンドシエルといった完成度の高いものでした!
小楠シェフ、ソムリエの畑様、キッチンとサービスの皆様、本当にありがとうございました。
またお伺いさせていただきます!
LE PONT DE CIEL ル・ポンドシエル
〒540-0031
大阪府大阪市中央区北浜東6-9
ルポンドシエルビル1F
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